2012年05月16日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 3403 count

ビギナーが直面する真の壁は何か

Written By: 川俣 晶連絡先

「最近痛感することがある」

「なんだよ」

「ビギナーってさ。なぜビギナーなのか」

「なんだよ急に」

「たとえば、どうしていいか分からないと言われてヘルプに入るとする」

「うん」

「何をしたいのですか?とこちらは質問する」

「当然だね。やり方を説明するには目的を聞かないと」

「そのとき、自分のやりたいことが具体的に説明できないのが本物のビギナー」

「えー」

「たとえばさ。ボールドと文字サイズの指定が区別できていないビギナーは、『何回Bボタンを押しても変化しない』と文句を言ったりするのだが、実際に彼が抱いている文句は『Bボタンの動作について』ではない。文字のサイズが変わらないことなのだ」

「押してるボタンがそもそも違うってことだね」

「でも、しばしば『Bボタンがおかしい』という苦情として表出してしまう」

「それじゃ分からないよね」

「そう。でもBボタンの意味が分かっていると、Bボタンを押して線が太くなってもう1回押すと戻った時点でどこもおかしくないと結論づけてしまいがちだ」

「それじゃビギナーの問題は何も解決されないわけだね」